新日鉄化学、中国で電炉用電極原料とタイヤ添加剤の生産へ
新日鉄化学が20日、中国で2014年6月から、電炉用電極の原料とタイヤ添加剤の生産を始めると発表したというニュースです。
約130億円を投じ江蘇省に工場を新設、あわせて原料を供給する米企業と提携し、安定生産体制を築いて現地の需要を取り込むということです。
生産を始めるのは黒鉛電極の材料のニードルコークスと、タイヤ補強剤のカーボンブラック。
新日鉄化学系の子会社が全額出資する新会社を2社、同省に設立し、新会社はニードルコークスを年6万トン、カーボンブラックを年5万トン生産する工場を江蘇省につくる。
それぞれ現在の生産能力から5割増え、中国での両素材の売上高は15年に200億円を見込んでいる。
ニードルコークスとカーボンブラックはともに、コークスをつくる際に出る「コールタール」が原料で、新日鉄化学は国内では親会社である新日本製鉄からコールタールを調達しているが、中国進出に伴い、コールタール大手の米コッパース(ペンシルベニア州)と提携しコッパースが隣接地にタール製造工場を新設し、新日鉄化学に供給する契約を結んだ。
中国では鉄スクラップを溶かして再利用する電炉の稼働が今後増える見通しで、電極メーカーの進出が相次いでいる。
ブリヂストンなどタイヤメーカーの工場も多く、両素材とも今後、安定的な成長が見込めると判断し、需要動向を見極めて増設も検討する。
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