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シンガポール・マレーシアの有力銀行、東南アでの融資急増

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シンガポールとマレーシアの有力銀行が東南アジアで融資を急速に増やし、M&Aにも積極的に乗り出しているというニュースです。
シンガポール三大銀行グループ(DBS、OCBC、UOB)の4~6月期決算は、いずれも10%強の最終増益、好業績は融資の伸びによるもので、3行合計の期末貸出残高は5000億シンガポールドル(31兆5000億円)と前年同期比17%増えた。
主な要因は周辺諸国などへの海外融資。

1~6月のアジアでの協調融資組成額のランキングでは3行そろって10位以内に入った。
かつてはアジアの貸出市場で大きな存在感を誇った独仏伊やオランダなどユーロ圏の銀行は足元の債務危機に伴う損失でアジアに資金を回す余裕を失っている模様。
逆にシンガポール国債は数少ない「トリプルA」格付けで通貨も安定しており、貸出通貨の米ドルの調達に有利なことから大企業や大型プロジェクトの資金需要に応じられている。
またマレーシアでも同国2位のCIMBは4月、リストラを急ぐ英大手銀RBSのアジアにおける投資銀行部門を総額8億5千万リンギ(210億円)で買収、RBSとの長期的な包括提携も併せて締結。
新興国の銀行に移籍する旧RBSの人材に安心感を与える周到な手立てを講じた。

一方、邦銀もアジアへの投融資の規模を示す与信残高は2011年末に約2100億ドル(約16兆円)と前年に比べ24%増え、過去最高に達した。
2月には三井住友銀行がインドネシアの水力発電事業に総額で約140億円の協調融資を主幹事としてとりまとめたほか、三菱東京UFJ銀行もアジア域内の高炉建造事業に総額で約830億円を海外金融機関と協調融資した。

シンガポール、マレーシア政府は、1990年代後半のアジア金融危機を教訓に国内の銀行再編を徹底。
巨大外資に対抗できるよう自国の大手銀行に有利な収益環境を整えたのが、実を結びつつある。
欧州銀が後退し草刈り場となった東南アジアでは域内大手と邦銀の競争が激しくなりそうだということです。

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